皆さんは『風葬』という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
簡単に説明すると、風葬とは文字通り”遺体を埋葬せず、雨風にさらして自然に返す供養方法”を示します。
主にチベットやモンゴル、一部の他のアジアの地域で行われていた埋葬方法であり、死者の遺体から出た霊魂が天に昇ると信じられていた厳粛な埋葬方法だったそうです。
現在、埋葬方法として火葬が主流の日本でも、かつて京都や沖縄などで風葬やそれに似た自然葬を行っていた歴史もあるようです。
そんな風葬を現在も厳粛に行っている地域のひとつが、インドネシア・バリ島にあるトルニャン村というところ。
今回まみ子は、その危ないと言われている風葬村トルニャンをツアーを利用せず訪れたので、アクセス方法やかかった費用などを実体験を交えて紹介していきます。
個人的に難易度が高いと感じたアクセス方法を中心にお伝えします!
バリ島の風葬村トルニャンって危ない?どんな場所?
トルニャン村とはインドネシアで風葬が唯一行われている場所であり、バリ島内で文化的に孤立した村のひとつです。
村自体が閉鎖的であるため、現地のツアー会社やタクシーのガイドさんもあまり行きたがらないと言われています。
実際、私たちも何件かタクシーガイドさんに村に行くのを断られてしまいました、、
そう聞くとトルニャン村に少し、怖いイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、”命に危険が及ぶようなリスクが高い場所”というわけではありません。
実際には観光客へのぼったくりが横行しており、地元ガイドさんとのトラブルが頻回に起きるため、ある意味”危ない場所”と言われているようです。
現地を訪れた私としては「トルニャンは近代の文明が行き届かず少し遅れている」という印象で「確かにぼったくりが横行している村」でした笑
本記事の後半で、どのようにぼったくられたのかエピソードを紹介していきます。
(といっても保証はできませんので訪れる際は自己責任でお願いします)
ここからは行った様子を詳しく説明していきますね。
【最新】バリ島の風葬村トルニャンまでのアクセス方法
最近、ツアーが再開してきたとはいえ、まだまだアクセス方法が分かりにくいトルニャン村。
調べてみてもほとんどがコロナ前の記事が多く、最新情報が知りたくてもなかなか分からないのが現実です。
私の場合、バトゥール湖を経由してトルニャン村まで辿り着いたので、ここからは実体験をもとにアクセス方法をお伝えしていきますね。
バトゥール湖まで
トルニャン村はバリ島の北東部に位置しています。
デンパサールからバトゥール湖までは車で2時間、ウブドからは1時間ほどの距離になります。
調べてみても村まではバスや電車はなく、車やレンタルバイクで行くことも可能のようですがタクシーが無難かと思います。
私たちの場合、村に行くことを快く引き受けてくれた1日タクシーのガイドさんをなんとか見つけ出し、車で連れて行ってもらいました。
トルニャンまでの道全体が全体的に整備されておらず、険しい道ばかりだったので、レンタルバイクではなくタクシーガイドさんにお願いして、訪れることを強くおすすめします!
感染症の大流行で数年間一時中止していたトルニャン村に行くツアーも、最近では再開しているところもあるようなので、そちらを利用するのも良いかもしれませんね。
バトゥール湖から風葬村トルニャンまで
上記位置まで車を進めたところで、スクーターに乗った複数の男性陣が待ち構えていました。
タクシーのガイドさんがその方々に「トルニャン村に行きたい」と話すと、そのうちの1人の村人がトルニャン村までの道を誘導してくれ、かなり険しい道のりを約20~25分進んだのち、目的地に到着しました。
バリ島の車は基本マニュアル車なので、かなり狭い道幅と激しい坂道が繰り返される村までの道のりはエンスト不可避であり、タクシーガイドさんは運転がかなり大変そうでした、、
車酔いしやすい方は、事前に酔い止めを飲んでおきましょう。
私が海外でいつも持ち歩いている酔い止めを紹介しておきますね。
チップの嵐
トルニャン村に着いたは良いものの、肝心な風葬が行われている場所はここからボートで湖を渡らなければ辿り着くことができません。
そのため、まずはボート代を支払う必要があります。
ここからが、ぼったくり価格との戦いです。
天井付きモーターボートと手漕ぎボートの2種類から選ぶことができましたが、手漕ぎボートでも数分程度の距離のため後者を選択。
ガイドさん含め大人3人分のボート代1,500,000ルピア(約15,000円)を請求されました。
この桁違いな高額の値段に、タクシーのガイドさんも思わず驚きを隠せないという表情になっていました笑
ですが私たちは事前リサーチにて、これよりも高額な値段を要求されたという記事を見ていたので、少しホッとしたのが本音です。
とはいえ、まだまだ油断はできません。
事前リサーチにて、”ボートに乗った後も湖上で船を停められ追加のチップを請求された”という記事も見ていました。
新たなトラブルを未然に防ぐために、ボート代をこの村人に支払う直前に「これ以上のお金は支払えない」とガイドさんを通じて約束しました。
しかし、ここから恐れていた事が起こります、、笑
村人「あっ、誘導代も。」
と、直前に追加のチップは支払わないと約束したばかりなのに、この村人に誘導代として50,000ルピア(約500円)要求され、渋々支払うことに。
またその他にも、村のトイレ(民家のトイレ)を使用するのに4,0000ルピア(約40円)、貧しい老人へのチップ代5,000ルピア(約50円)支払いました。
約束はまるで存在しなかったのかというくらい、次々に細かいチップの請求が続くのを見て、タクシーのガイドさんはもはや笑ってました笑
とはいえ現地のタクシーガイドさんが付き添ってくれてなかったら、もっとぼったくられていたと思います、、
そうこうして、ライフガードも貸してくれ無事に出発。
乗っている最中、何回かスコールに遭いましたが木の影に船を寄せて落ち着くのを待ったり、対応してくれました。
船の上でも喫煙はOKのようで、ガイドさん含めみんなで一服している瞬間もありました。
風葬の場所へ
その後、船の上で停められて追加でチップを請求されるということもなく、数十分で船着場に到着。
ここでまず初めに目に入った光景は、ボロボロだった村とは大きく異なり、ソーラーパネルが付属された街灯や、立派な建物が建設されている最中の船着場の様子でした。笑
観光客から沢山ぼったくられたお金たちは、きっとここの発展に使われているんだなと納得。
そして、到着してからも再度募金箱にチップの要求をされたため、20,000ルピア(約200円)ほど入金します。
風葬の実際の様子
こちらは実際に風葬されている様子の写真です。
遺体自体は衣服を着たままの状態であり、竹の囲いの中で風化過程にあることがわかります。
この竹の囲いで遺体を保護することによって、鳥や動物などの侵食を防いでいるそうです。
風化し、骨だけになったら頭蓋骨だけ残し、あとは風に任せるのだそう。
そのためなのか、遺体が風葬されている周囲には骨が散らばっていました。
また、亡くなった方にまつわる写真や生前に使用していた物なども一緒に安置される事が多いため、それらもあちこちに散乱していました。
トルニャン村では風葬は1番厳粛な埋葬方法のようで、罪人や悪人は火葬されるそうです。
また、観光客に公開しているエリアは男性のみの遺体を安置する場所であり、非公開にしている女性や子供の風葬を行うエリアも別にあるとのことでした。
明らかに観光地化されてはいるものの、実際にその風葬されている地を訪れることによって、”現地の方々が大切守っている場所である”という事実も改めて認識することができました。
当たり前ですが、亡くなった方の墓地ですので、決して冷やかす気持ちで行ってはいけない場所です。
風葬村トルニャンでかかった費用
風葬を見に行くためにかかった費用の内訳はご覧の通りです。
・ボート代大人3人 1,500,000ルピア(約15,000円)
・先導代 50,000ルピア(約500円)
・トイレ1回 4,0000ルピア(約40円)
・ご老人へのチップ 5,000ルピア(約50円)
・募金 20,000ルピア(約200円)
計 15,790円(大人2人分) ※ガイド代除く
これとは別で1日タクシーのガイド代も発生しましたが、今回のトルニャン村に関する直接的な費用にならないためここでは省きます。
最近再開したツアーも同様の値段がかかってくる様ですね。
まとめ
閉鎖的な村ゆえに、秘所地とされている風葬村トルニャン。
現代では珍しい風葬を、実際に訪れて見ることができ、自身にとって非常に貴重な経験となりました。
ただ、村までの道が険しかったり、村人とのコミュニケーションで苦労する可能性が高く、辿り着くのに難易度が高い場所ではあるため、トラブルを最小限に抑えたい方は現地のガイドさんと一緒に行く方が安心かと思います。
もし風葬やトルニャン村の事が気になっていた方に、この記事が参考になれば幸いです。
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